2011年6月22日水曜日

第6回 関連書籍

併せてどうぞ!


「自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか」岡本太郎
自伝的エッセイについてはあまりぴんとくる物に出会ってこれなかったナリタですが、これは彼の記憶に残る数少ない一冊。これだけ情熱、一貫性とエネルギーで駆け抜けるようなスピード感で一冊書ききってしまう筆力に驚いたのを覚えています。底に書かれた言葉はどれも正直であるがゆえに厳しい物ばかりで、兜の緒を無理矢理グイグイ締め直される思いがします。特に印象に残っているのは以下の部分ですかね。
ぼくは“幸福反対論者”だ。幸福というのは、自分に辛いことや心配なことが何もなくて、ぬくぬくと、安全な状態をいうんだ。(中略)
 たとえ、自分自身の家がうまくいって、家族全員が健康に恵まれて、とても幸せだと思っていても、一軒置いた隣の家では血を流すような苦しみを味わっているかもしれない。(中略)
 ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ。ぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代わりに“歓喜”という言葉を使う。
 危険なこと、辛いこと、つまり死と対面し対決するとき、人間は燃えあがる。それは生きがいであり、そのときわきおこるのがしあわせでなくて“歓喜”なんだ。
なお、ナリタがこの著書を知るきっかけになったのはブログ「凹レンズ〜まとまりのない日記〜」このエントリでした。

2011年6月19日日曜日

第5回 関連書籍

併せてどうぞ!


「マンガの描き方ー似顔絵から長編まで」手塚治虫
言わずと知れた巨匠による親しみやすいマンガ手ほどき書。「マンガとは「省略」と「強調」である」、という簡潔にして含蓄のある言葉は、以来ナリタがマンガというメディア表現の可能性に想いを馳せる際に幾度となくリフレインしています。

2011年6月8日水曜日

第4回 関連書籍

併せてどうぞ!


「もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵」椎名誠
活字中毒者を味噌蔵に閉じ込め、禁断症状に苦しませるという復讐劇が同名のタイトルで第一章に収められています。著者自身も重度の活字中毒者であるだけに、おかしくも悲しい本好きの性(さが)が妙な迫力をもって描かれます。他の章は雑誌評などのコラム集になっています。

「ミステリーの書き方」アメリカ探偵作家クラブ
豪華ミステリ作家陣へのインタビューを元に、なぜ、なにを、どうやって書くのかを、多角的かつ簡潔にまとめたガイド本。ミステリに限らず、小説を書くこと、読むことの意義を様々な実例をあげて提示してくれます。

わたしたち作家は書きたいから書くのである。書けば書くほど人間が見えてきて、他人にも自分にも正直になり、優しくなる (「はじめに」より)」

2011年6月5日日曜日

第3回(後編)関連書籍

併せてどうぞ!


「リング」鈴木光司
言わずと知れた日本ホラーの金字塔。小説版はめずらしく挿絵の入っているバージョンもあって、いい具合に想像力を刺激してくれます。映画版は、中谷美紀はもちろん(笑)、冒頭の若かりし竹内結子にも注目ですね。ストーリーはもう皆さんだいたいご存じと思いますので割愛。

「火の鳥」手塚治虫
巨匠不朽のライフワーク。この作品を語るべき言葉を僕は持っていません。読んでください。