2011年7月12日火曜日

第9回 関連書籍

併せてどうぞ!

「天地明察」沖方 丁
江戸時代、日本独自の暦をつくるという大事業に生涯をかけて挑んだ男がいた!囲碁棋士であり天文歴学者でもある渋川春海の人生を、囲碁と和算の好敵手たちとの触れあいを交えながら生き生きと描いた名著。不勉強でしたが、実在する人の物語だと後で知ってびっくりしました。「はやぶさ」のミッションにも通じる宇宙ロマン、そして和算という日本独自の数学の面白さにも触れられます。数々の賞を受賞し、映画化も決定したそうですね。

「はい、こちら国立天文台-星空の電話相談室」長沢 工
年間一万件を超える天文台への問い合わせに、広報普及室はどのように対応しているのか?そもそもどんな質問が寄せられているのか?一般人と専門家の宇宙観の違い、素朴な日常の宇宙現象の謎、宇宙教育のこれから、などなど、電話ごしのやりとりから見えてくるもう一つの「宇宙」。これもひとつのロマンです。


2011.7.12 第9回 「眠れなくなる宇宙のはなし」佐藤勝彦

七月の別名、文月(ふみづき、ふづき)の由来は、「7月7日の七夕に詩歌を献じたり、書物を夜風に曝す風習があるから」だそうです(wikipediaより)。今回はまさにそんな文月にふさわしい、宇宙学への招待本をオススメします。くしくも日本時間7月9日午前0時29分、最後のスペースシャトルとなる「アトランティス」が打ち上げに成功しました。古来より人々を魅了してきた宇宙、その謎を解き明かすこと、いやもっと簡単に「宇宙について想いを馳せること」とは何か。この本では、宇宙と我々との関わりを再認識させてくれる面白話が、シンプルな挿絵と親しみやすい文章で分かりやすく描かれています。梅雨も明けたことですし、夜空を眺める前に読むにはもってこいの一冊です。

2011年7月1日金曜日

第7回 関連書籍

併せてどうぞ!

「ルール」古処誠二
終戦間際のフィリピン、敗走を続ける日本兵。圧倒的な”死”を前にした時、人はどう生き、どう死ぬのか。戦争が直接的に人の身体と精神を破壊する怖ろしさ、そして人が人として生きることの意義を、ミステリのエッセンスを用いて描いた意欲作。衝撃でした。